施術に来られる方の中には、多かれ少なかれ、お薬を服用されている方がいらっしゃいます。
病院で処方されているものであったり、市販薬であったり、種類や数も様々で、中には毎食後に十数錠ものお薬を飲まれている方もいらっしゃるようです。
果たしてそれが全て本当に必要なのかなぁと思ったりもします。
先に前置きをしておきますが、
お薬を完全に否定しているわけではなく、私もこれまでの人生の中で、幾度と無くお薬に助けられました。
しかしながら、このお仕事をするようになってから、知識や学びを深めることでお薬に頼る事はほとんどなくなりました。
今ある症状をすぐにどうにかしたい気持ちはよく分かります。
何かあればすぐにお薬!と何でもかんでも、すぐにお薬に手を出してしまうのは、体の自己回復を無視するようで、違和感を感じるようになったのです。
今回はお薬の服用について考えさせられたケースをご紹介します。
(整体師としての個人的な見解で、医学的な証明はありません事をご了承下さい。)
50代男性
心療内科に長年通われています。
安定剤や睡眠導入剤などを処方され、長年服用されている方です。
朝起きると、体がものすごくだるく、やる気も起こらずにベッドで過ごす日々が続いているところ、施術にお越しになられました。
お薬については絶対的な信用があるようで、
飲まないと眠れない。
飲まないと精神不安になる。
と毎回欠かさずキッチリと決められた物を服用されていました。
そこまで信用があるお薬を、無理矢理奪い取るつもりは私はありません。
時が来れば、手放したくなる。
時が来れば、ご自身の健康に自信が持てるようになる。
お薬との距離を少しずつ取れるように、そして手放せるようにと施術を繰り返しました。
ある時、お薬は飲みたいですか?とお聞きした所、
飲まないでも大丈夫なら、飲みたくないかなぁ、、
と言うお返事が返ってきました。
じゃあ、今晩の睡眠導入剤やめてみませんか?
とご提案したところ、
二つ返事でやってみますと言うお返事が返ってきました。
次の予約までの間、ちゃんと眠れたかなぁ。と心配もしながらも、成功している自信は満々で、次の予約に来られることを楽しみにしていました。
次の予約の時です。
お店に入ってこられたご様子で、成功は一目瞭然でした。
顔色が全然違う!
表情も違う!
お話をお聞きすると、
飲まなくても寝れるんだ!と言う事に感動し、飲まなかった翌朝は体に羽根が生えたように軽い!と
そうなんです!
飲まなくても寝れるんですよ!
自立神経を整えてあげれば良いんです!
それからは趣味を楽しむ時間も出来たようで、その写真を見せていただいたり、お話を聞くと、私までも楽しくなります。
喜ばしい限りです。
お薬の服用歴が長ければ長いほど、知らず知らずのうちに依存してしまい、手放す時に抵抗がありますよね。
本当にお薬を必要とされている方もいらっしゃいますが、飲まなくてもいいお薬を飲む事で、逆に不調になっている方がいらっしゃるのも事実です。
元気が取り柄だった60台の女性のお話です。
何事にも前向きで元気はつらつ!な毎日を送られていたそうですが、ご家族のススメで病院に行くことになりました。
そこで高血圧を指摘され、初めて降圧剤を口にすることになります。
それからというと、、
どんどん体重は落ち、体はだるく、思うように動いてくれません。
お仕事も退職され、家にこもるようになり、以前のような元気な面影はまったくなくなってしまったという、とても残念なお話もあります。
もしかすると、飲まなければ、前の元気なままでいれたんじゃないか?
と思うと悔しくてたまらなくなります。
私たち整体師は医学的な診断はできませんし、お薬の処方ももちろんできません。
処方されたお薬に対してどうこう言える立場でないのも理解はしているつもりです。
服用するかどうかは、ご本人の判断になるかと思いますが、
本当に今のご自分の体にそのお薬が必要かどうかを見極めていく必要があると思います。
担当医の先生に、納得のいく説明を充分に聞いてみるのも良いですね。
時には頼り、
時には疑う、
うまく使い分けて欲しいなと願うばかりです。